お客様から、
「節税できませんか?」
と言われることがあります。
このときに、私が何を考えているかです。
まず、節税自体を否定しているわけではありません。
できる条件が揃っているのであれば、やった方がいいというふうに私は考えています。
無駄な税金を払う必要はありませんし、使える制度があって、その会社の状況に合っているのであれば、検討する価値はあります。
ただ、節税という言葉の中身は、人によってけっこう違います。
税金払いたくないので赤字にしたいです
よくあるのが、
「税金払いたくないので赤字にしたいです」
という話です。
気持ちはわかります。
利益が出る。
税金がかかる。
手元のお金が減る。
そう考えると、税金を払いたくないという気持ちになるのは自然なことだと思います。
ただ、赤字にしたいという話になると、少し慎重に考える必要があります。
赤字にするということは、基本的には会社の利益を減らすということです。
利益が減れば、会社に残るお金も減ります。
会社にお金が残らないと、次の投資もしにくくなりますし、資金繰りにも余裕がなくなります。
逆に、何とか黒字にしたいです、という話もある
逆に、
「何とか黒字にしたいです」
という話もあります。
これはこれで、ちょっと粉飾チックな話にはなるんですけれども、そういうパターンもあります。
銀行に決算書を見せたい。
融資を受けたい。
赤字だと困る。
だから何とか黒字にしたい。
こういう事情があることもあります。
ただ、赤字にしたいにしても、黒字にしたいにしても、決算書を無理にいじるような考え方はあまり良くないと思っています。
決算書は、会社の状態を表すものです。
そこを無理に良く見せたり、逆に悪く見せたりすると、後から自分たちが困ることになります。
基本は自己資本比率30%を目指すこと
別の記事で、自己資本比率30%を目指すというふうに考えましょう、ということを書きました。
やっぱり、そっちが基本のベースにあります。
ある程度利益を出す。
利益が出ると税金がかかってしまうのは仕方がないんですよね。
もちろん、税金がかかるのは嫌かもしれません。
でも、会社を強くしていくには、利益を出して、税金を払って、残った利益を会社に積み上げていく必要があります。
私としては、まずは自己資本比率30%を目指しましょうというのがメインですね。
まずはそれを達成してから、節税というものを考えていけばいいのかなというふうに考えます。
直前で経費を使う節税は慎重に考えたい
決算前になると、
「直前で経費使いましょう」
「社員旅行に行きましょう」
「何か買えるものはありませんか」
という話になることがあります。
もちろん、本当に必要な支出であれば問題ありません。
必要な設備投資。
必要な研修。
必要な広告宣伝。
必要な人件費。
そういうものなら、事業のための支出です。
ただ、税金を減らすためだけに、何とか直前に経費を使うような感じの節税は、あまり良くないかなと考えています。
会社にお金が残らないからです。
経費を使えば、たしかに税金は減るかもしれません。
でも、その分だけお金も出ていきます。
税金を減らすために100万円使って、税金が30万円減ったとしても、会社からは100万円出ていきます。
結果として、手元のお金は減ります。
決算書の見栄えも悪くなる
それに、決算書の見栄えがどうしても悪くなるんですよね。
利益が出ている会社が、直前に無理やり経費を使って利益を減らす。
そうすると、会社に利益が残りません。
利益が残らないと、自己資本も積み上がりません。
自己資本比率にも影響します。
私の感覚としては、直前の経費で利益を無理に減らす節税は、会社にお金が残らないし、自己資本比率を歪めるので、あんまり良くないかなと考えています。
節税は否定しないけれど、順番がある
節税は否定しません。
できるならやった方がいいです。
ただ、順番があると思っています。
まずは会社として利益を出す。
税金を払う。
残った利益を会社に積み上げる。
自己資本比率30%を目指す。
そのうえで、会社の利益構造や事業規模がある程度固まってきて、やることはやったなという段階になったら、具体的な節税策を考えていく。
そのくらいの順番でいいのかなと思います。
節税は、会社を強くするための手段のひとつではあります。
でも、節税そのものが目的になってしまうと、会社にお金が残らなかったり、決算書の見栄えが悪くなったりします。
なので、お客様から「節税できませんか?」と言われた時には、まずその会社が今どの段階にいるのかを考えます。
自己資本比率30%を目指す段階なのか。
それとも、すでにそこを超えていて、次の節税を考える段階なのか。
そこを見ながら、バランスを取って考えていくのがいいのかなと思っています。