事業経営をしていく中で、何を目指すかは会社によってさまざまです。
社会的に意義のある事業をしたい。
自分がやりたい仕事をしたい。
地域の役に立ちたい。
従業員が安心して働ける会社にしたい。
どれも大切なことですし、どれも素晴らしい目標だと思います。
ただ、会計や数字の面から見ると、まず最初に目指したい基準があります。
それが、自己資本比率30%以上です。
自己資本比率とは何か
自己資本比率とは、簡単にいうと、会社の総資産のうち、どれくらいが自己資本でまかなわれているかを示す割合です。
ざっくり言えば、会社の財産のうち、返さなくていいお金がどれくらいあるか、というイメージです。
借入金が多く、自己資本が少ない会社は、どうしても外部から見ると不安定に見えやすくなります。
逆に、自己資本がしっかり積み上がっている会社は、多少売上が落ちたり、想定外の支出があったりしても、耐える力があります。
まずは30%を目指す
私の感覚としては、まずは自己資本比率30%以上を目指すのが、最初のステップだと考えています。
自己資本比率が30%を超えてくると、金融機関から見ても、
「この会社はある程度しっかりしているな」
と見てもらいやすくなります。
もちろん業種や会社の状況によって違いはあります。
ただ、30%を超えている決算書は、誰に見せても大きく見劣りしにくいです。
「この会社、ちゃんと利益を出して積み上げてきたんだな」
という印象になります。
節税よりも先にやることがある
会社を経営していると、
「何か節税できませんか?」
という話はよく出てきます。
もちろん、無駄な税金を払う必要はありません。
使える制度があり、会社の状況に合っているのであれば、節税策を検討することも大切です。
ただ、立ち上げ期や成長途中の会社にとって、節税の優先順位はそれほど高くないと考えています。
自己資本比率がまだ十分でない段階で、無理に利益を減らそうとするよりも、まずは会社に利益を残すことが大切です。
利益を出す。
税金を払う。
残った利益を会社に積み上げる。
自己資本を厚くする。
この流れを作ることが、会社を強くする第一歩だと思います。
利益構造を整える
自己資本比率30%を目指すためには、単に「税金を減らす」ことを考えるだけでは足りません。
むしろ大事なのは、事業そのものを見直すことです。
売上をどう伸ばすか。
利益率の高い仕事にシフトできないか。
固定費が重くなりすぎていないか。
変動費とのバランスはどうか。
人を増やすタイミングは適切か。
価格設定は今のままでよいのか。
こういったことを一つずつ見ていく必要があります。
節税は、利益が出た後の話です。
その前に、そもそも利益が出る事業構造になっているかどうかを考える方が大切です。
節税を考えるのは、その後でも遅くない
もちろん、節税を否定しているわけではありません。
できる節税はした方がいいです。
無駄な税金を払う必要もありません。
ただ、順番が大事です。
事業がまだ安定していない。
自己資本も十分でない。
資金繰りにも余裕がない。
そういう段階で、節税ばかりを優先してしまうと、会社にお金が残りにくくなります。
まずはしっかり利益を出す。
必要な税金を払う。
会社にお金と利益を残す。
自己資本比率30%以上を目指す。
そのうえで、会社の利益構造や事業規模がある程度固まってきたら、具体的な節税策を検討していく。
この順番でよいのではないかと思っています。
会社を強くするための数字
節税はわかりやすいテーマです。
税金が少なくなれば、得をしたように感じます。
ただ、会社経営はそれだけではありません。
大事なのは、会社が続いていくことです。
資金繰りに困らないこと。
金融機関から信頼されること。
必要な投資ができること。
いざという時に耐えられること。
そのためには、節税だけではなく、会社の体力を表す数字を見ていく必要があります。
そのひとつが、自己資本比率です。
私は、特に立ち上げ期や成長途中の会社については、まず自己資本比率30%以上を目指すことをおすすめしたいと考えています。
節税は大切です。
でも、会社を強くすることはもっと大切です。
税金を減らすことだけではなく、会社に利益を残し、決算書を強くしていく。
これの順番が良いと私は考えてます。