税理士試験の受験
今回は、税理士試験の受験の思い出と、私がどんな戦略で科目を選んだのかという話をしようかなと思います。
私は令和7年の税理士試験で固定資産税に合格して、これで5科目が揃いました。
本気を出して受験し始めたのは、令和4年の試験からです。
令和4年は、簿記論と財務諸表論に合格。
令和5年は、酒税法と国税徴収法を受験して、両方不合格。
令和6年は、法人税法、酒税法、固定資産税の3科目を受験して、法人税法と酒税法に合格。固定資産税は不合格でした。
そして令和7年に固定資産税に合格して、5科目が揃ったという流れです。
変なプライドを捨てて、確実に合格する
税法科目については、私は法人税法を選ぶと決めていたので、そこは逃げられないとして、残りは基本的にミニ税法で戦いました。
酒税法、固定資産税、そして途中で撤退しましたが国税徴収法です。
なぜそうしたのか。
理由は簡単で、
「変なプライドを捨てて、確実に合格するにはどうすればいいか」
ということを考えたからです。
王道でいえば、消費税法や相続税法を受験するという選択肢もあります。
ただ、私はもともと国税で働いていたという経歴があります。
なので、税理士にさえなってしまえば、その後はそこで勝負すればいいだろうと考えていました。
税理士試験で「難しい科目を合格した」ということ自体で勝負する必要はないと思っていたんですね。
それよりも、とにかく5科目を揃える。
そこを最優先にしました。
ボリュームの多い科目を仕事と両立できるのか
もう一つは、単純に仕事との両立です。
消費税法や相続税法のようなボリュームの多い科目を受験して、仕事もしながら合格レベルまで持っていく。
私にはかなり厳しいだろうと思いました。
そして、もう一つ大きかったのが、
「ゴールがよくわからない」
ということです。
税理士試験は、公式には各科目60点が合格基準になっています。
ただ、受験している側からすると、実際には毎年1割前後から十数%程度の人が合格していく試験という感覚があります。
しかも、細かい配点も見えません。
だから私は、
「上位1割強に入るにはどうすればいいのか」
という考え方で勉強していました。
範囲の広い科目だと、どこまでやれば十分なのかがなかなか見えません。
消費税法については受験も考えました。
ただ、単純に理論暗記のボリュームが多い。
計算自体は、私はそこまで苦ではありません。
とはいえ、消費税も改正が重なって計算がかなり複雑になっているので、これを全部仕上げるのは大変だなという印象がありました。
相続税法についても、ラスト1科目として受験している人も多いと聞いていました。
そういう人たちと、広い範囲で戦わなければならない。
だったら私は、
「やることが明確な科目を選ぼう」
と考えました。
酒税法と固定資産税を選んだ理由
最終的に選んだのが、酒税法と固定資産税でした。
理由は非常に単純です。
理論暗記のボリュームが少ないからです。
酒税法と固定資産税には、予備校が出している「理論マスター」という教材があります。
その掲載数が比較的少ない。
一方で計算については、かなり高い精度が要求されます。
だったら、
「理論マスターを全部覚える。計算は満点を狙う」
というところまで持っていけばいい。
言うのは簡単です。
やるのはものすごく大変です。
ただ、ゴールは明確なんですね。
私はこの「ゴールが明確」ということをかなり重視していました。
国税徴収法から撤退した理由
最初は、ミニ税法の王道ともいえる国税徴収法を勉強していました。
ただ、これは途中で撤退しました。
理由は、理論暗記が辛くて辛くて仕方がなかったからです。
国税徴収法は計算がほとんどありません。
その分、ひたすら理論を覚えることになります。
これが私には本当にきつかった。
覚えても覚えてもできない。
それで撤退しました。
ただ、国税徴収法をやっていた当時は、まだ「音読で覚える」という自分なりのスタイルを確立していませんでした。
なので、今だったらまた違ったやり方もあったのかな、という気がしないでもありません。
「全部潰せばいい」という状態を作る
酒税法と固定資産税を選んでからは、やることはかなり明確になりました。
理論マスターに載っていることは、もう呼吸するように書ける状態にする。
計算は、満点を狙えるところまで繰り返す。
実際、酒税法も固定資産税も、合格した年は予備校の解答速報ベースでは計算の最終値まで合っていました。
理論についても、理論マスターに載っているものはほぼ書ける状態にしていました。
逆に、理論マスターにも載っていないものが出たらどうするのか。
それはもう、
「思いつきで書いてお茶を濁す」
くらいしかできませんでした。
でも、それで合格できました。
つまり、少なくとも私の場合は、予備校が用意しているカリキュラム、テキスト、理論マスターを全部潰していけば、合格できるところまで持っていくことができたということです。
ここが、私にとってミニ税法を選んだ一番大きなメリットだったと思います。
難しい科目を選ぶことが目的ではない
もちろん、ミニ税法だから簡単だったという話ではありません。
酒税法も固定資産税も、相当時間はかかりました。
計算で高得点を求められるので、一つのミスがかなり痛い。
理論も、範囲が少ないからこそ、みんな覚えてきます。
それでも私にとっては、
「何をすれば合格に近づくのかが見える」
ということが大きかったです。
税理士試験を受ける目的は、難しい科目に挑戦したことを自慢することではありません。
私の場合は、税理士になることでした。
だったら、自分が一番勝ちやすい戦い方をすればいい。
変なプライドを捨てて、確実に合格するにはどうすればいいか。
そう考えた結果が、法人税法に加えて酒税法と固定資産税を選ぶという戦略でした。
それでも相当大変でした。
喉元過ぎれば熱さを忘れるとはいいますが、今振り返っても、
「もうやりたくない」
というのが率直なところです。
ただ、自分なりにゴールから逆算して、勝てる可能性の高い方法を考えて進めたこと自体は、税理士試験以外にも通じる経験だったのかなと思います。
そんな税理士試験の思い出と、私が取った受験戦略のお話でした。